雨上がりの窓みたいな
ガラス作れますか?
雨上がりの窓みたいなガラス作れますか?
八芳園
東京都 港区
橋本夕紀夫デザインスタジオ
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/report01-1-980x1224.jpg)
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/report01-2-980x1224.jpg)
問い合わせ
披露宴会場の壁を
水滴で埋める?
2015年1月
橋本夕紀夫デザイン事務所さんから問い合わせのメールが届く。
東京・白金台の結婚式場「八芳園」で披露宴会場をデザインしているとのこと。
そこに導入するガラス制作の相談メールだ。
なんと、高砂席の後ろ壁、約20㎡をガラスで演出したいとのこと。
ということは…
主役級ガラス!
これはやりがいありそうだ。
メールに添付されていた図面にはガラスに水滴が付いたようなデザイン画が。
どうやらこのガラス「水滴ガラス」と名付けられているようだ。
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/chunichi_note01_001-1-246x300.jpg)
うーん
板ガラスに
半球のガラスパーツを貼り付ければ
できるかな
と、ひとまずアタリをつける。
サンプル作成
善は急げ
打ち合わせ前に
サンプルを
2015年1月
通常は打ち合わせした後にサンプルを作成するが、
今回は先にイメージが湧いたので、
まずサンプルを制作してみることに。
とにかくガラスは実物を見てみないとわからないことが多いから、
初回の打ち合わせに
サンプルを持って行けるとベスト!
早速ガラスパーツを取り寄せて、サンプル制作依頼書を準備。
出来上がったサンプルを見ると…
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/chunichi_note01_002-300x205.jpg)
水滴じゃん!
まだ試作品ではあるけれど、いい感じかも!
初回の打合せでは一旦このサンプルを見てもらおう。
打ち合わせ
いざ打ち合わせ
サンプルを持参して初回の打ち合わせに望む。
相棒のスーツケースからサンプルを取り出し
設計担当さんに見せると・・・
好感触!
反応はまずまず。
少し安心するが、「もっと透明感を出したい」との意見もいただいた。
早速持ち帰って検討しなきゃ。
イメージを掴む
雨上がりに
窓の外を見ると
さて、透明感か…
どうやって表現しようかと考えていたところ
朝から降っていた雨が午後になると晴れてきた。
何気なく外を見てみると、窓に水滴がついていた。
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/chunichi_note01_003-300x203.jpg)
よく観察してみると
水滴の形状がランダムであることに気づく。
しかもサンプルで出したガラスパーツよりも透明感がある。
イメージ膨らむなあ
「雨降って地固まる」とはよく言ったもんだ
雨上がりにイメージが固まった
再サンプル作成
もっと透明感を!
早速、透明感を出す方法を社内で話合うと
「シリコン接着ではなくUV接着ではどうか?」
とデザイン部の伊藤さんからアイデアが。
なるほど、
UVの方が透明感が出せそうだ
だけど、球体のパーツを付着させるには強度が出るか心配だ。
とにかくまずサンプルを作ってみよう。
今回は球体だけでなく有機的な水滴の形状も混ぜて、
サンプル制作仕様書を作成。
すると、数日後サンプルが出来上がってきた。
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/chunichi_note01_004-300x204.jpg)
前より水滴じゃん!
透明度が上がって、前より水滴のように見えてきた!
あの日見た雨上がりの窓ガラスを思い出す。
早速、クライアントにサンプルを送って見てもうと
すぐにOKをいただいた。
ここまで来ればゴールも近い!
デザイン/見積り
見積も
腕の見せどころ
ガラスパーツの仕様が決まったので、
今度はガラス面にどのくらい配置していくか、デザインを詰める。
面積が大きし、配置によって
見積が大幅に変動するから
ハラハラする・・・
デザイン部と相談しながら、何度も調整してガラスパーツの数を割り出す。
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/chunichi_note01_005-300x263.jpg)
デザインを確認しながら、何度も見積書を作り直す。
営業的観点はもちろん必要だが、デザインに理解がなければならない。
見積もりって
実は大事な工程なんだよなあ
最終決定したデザイン画と見積もりを提出すると
無事承認された。
最終製品を制作
懸念点は
制作前に潰せ!
さあ、あとは最終製品をつくるだけ!
ガラスパーツの量が多いので、納期が心配だったので
前もって5月に発注。先手を打って手配しておいたのが良かった。
ありがとう、5月の自分!
ここまで準備万端。ここからは製造チームに任せて
頑張ってもらおう!お願いします!
納品
雨上がりの
窓ガラス、完成!
製造部の頑張りでなんとか納品日にも間に合った。
出来上がった製品を現場に運んで設置にも立ち会う。
ガラス板にガラスパーツを接着したガラス。これはまさに「雨上がりの窓ガラス」だ。
クライアントにも喜んでもらえたし、今回も一件落着。
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/chunichi_note01_006-300x200.jpg)
![](https://www.studio-csa.com/manage/wp-content/uploads/2023/01/chunichi_note01_007-283x300.jpg)